取材日：2019年2月3日
退部選手インタビュー Part.2
現役最後の年に優勝を経験することができました。12年間、神戸製鋼でプレーでき、完全燃焼です！
大橋由和
YOSHIKAZU OHASHI
PROFILE
- 1984年5月18日生まれ、大阪府枚方市出身
- 枚方市立楠葉中学→大阪工業大高校→同志社大学→神戸製鋼コベルコスティーラーズ（2007年入部／12年間在籍）
- ポジション／WTB
- 2018-2019シーズンまでの公式戦出場回数／114
12年間、お疲れ様でした。今の心境をお聞かせください。
「12年間、いろいろなことがありました。優勝を目標に掲げ、一生懸命やってきましたが、なかなか勝つことができなくて...。現役最後の年に優勝することができたことは、12年間頑張ってきた自分へのご褒美だと思います」
決勝戦の後に話を伺った時、「メンバー外の選手が心から仲間を応援していて、チームがひとつになり、本当に良いチームになった」と、感慨深げに話されていたことが印象的でした。
「これまでのチームは、試合に出ているメンバーと出ていないメンバーとの間に見えない壁があり、ひとつになり切れていないところがありました。僕自身、ずっと試合に出ていたわけではないので、試合メンバーから外れた時は、他の選手の意識を少しでも変えることができればと思って練習に取り組んできました。今シーズンは、コーチ陣が常にノンメンバーのことを気にかけてくれたことと試合メンバーに入れなかった選手が常に意識を高く持ってくれたことで、12年間で一番チームの雰囲気が良かった。準決勝vsトヨタ自動車戦は、メンバー外の選手が心からチームを応援していましたし、グラウンドに立っている選手も仲間のために体を張って戦っていて、心から感動しました。僕がいなくても、もうこのチームは大丈夫だと思いましたね」
常にチームが良くなることを考えていたと。
「そうですね。でも、言葉で言うのは得意ではないので、練習や試合中にプレーする姿勢で見せていかなくてはいけないと思っていました」
先ほどずっと試合に出ていたわけではないと言われましたが、公式戦114試合に出場されています。
「シーズン後半に出場することが多かったので、いつも試合に出ているように思われるのですが、トップリーグのリーグ戦100試合出場を達成していないですしね。シーズン中、メンバー外の時は気持ちを切らさないように、常に出る準備はしていました。その結果、チームが苦しくなった時に、試合に出させてもらえたことは、信頼されている証しだと思っていたし、誇りに感じていました」
ラグビーをする上でのモチベーションは？
「若い時は目立ちたいと思っていましたが、年々、優勝への思いが大きくなっていって、ここ数年間は優勝することしか考えていなかったですね。それを最後に叶えることができた。幸せなラグビー人生を送ることができたと思います。神戸でプレーした12年間で、先輩、後輩、同期を見送ってきましたが、満足して選手生活を終えることができる人は多くないと思います。そういう厳しい世界で生きてきて、ここまでプレーすることができて満足ですし、完全燃焼することができました。今はやり切ったという気持ちです」
12年間には、平尾誠二元GMの訃報に接しました。
「平尾さんがお亡くなりになられて、チームに対する思いはより一層強くなりました。平尾さんが神戸製鋼を好きだったことは知っていますし、僕も平尾さんと同じようにチームのことが好きなので、その遺志を継いでいかないといけないと感じていました」
2015-2016シーズンの最終戦では、前十字靭帯を断裂するという大怪我もありましたね。
「怪我をした後は、もう試合に出られないんじゃないかと思いましたね。2014-2015シーズンに、ギャリー（・ゴールド）が指揮を執るようになり、僕がそれまで強みにしていたキックチェイスやボールを持っていない時の動きを、みんながするようになったことで、僕の強みがなくなってしまって出番が減ってしまったこともありましたし。復帰してからは、たとえ、この試合が最後になったとしても後悔しないようにしようと、1試合1試合全力でプレーしていました」
今後は社業専念される。
「そうです。今後は会社に貢献できるよう、しっかり頑張りたいと思います」
では最後にファンの皆様方へメッセージをお願いします。
「ファンの皆様には感謝の気持ちしかありません。チームが勝てない時も、ずっと応援してくださり、皆様に支えていただいた12年間でした。ありがとうございました！これからも神戸製鋼コベルコスティーラーズの応援をよろしくお願いします」
