INTERVIEW

試合後のコメント

2021年04月12日 | 取材日:2021年4月10日

ジャパンラグビートップリーグ2021第7節 VS NTTドコモレッドハリケーンズ戦のレポート

前節のパナソニック戦を引き分けた神戸製鋼コベルコスティーラーズは、リーグ戦最終節でNTTドコモレッドハリケーンズと対戦した。NTTドコモは、今シーズンから南アフリカの年間最優秀監督賞を3度受賞した経験を持つヨハン・アッカーマンヘッドコーチが指揮をとり、開幕3連勝するなど、チーム名の通りホワイトカンファレンスで旋風を巻き起こしている。その中心となっているのが、ニュージーランド代表69キャップを持つTJ・ペレナラ選手だ。日和佐選手は、「昨シーズンは97-0でNTTドコモに勝利しましたが、その時とはまったく別のチームになっています。キーマンであるペレナラ選手に好きなことをさせないようにしたい」と警戒し、続けて「タイプ的にはアンディー(アンドリュー・エリス)のようなタイプのスクラムハーフなのかなと。お互いにプレッシャーを掛け合うことになると思いますね。マッチアップは楽しみですが、やることは変わらない。いつも通り神戸のラグビーをします」と意気込みを述べていた。

前節とはうって変わって晴れ渡った青空のもと、NTTドコモのキックオフで試合がはじまった。しかし、いきなり神戸製鋼が自陣22mライン付近で反則を犯してしまう。開始1分、NTTドコモがPGを決め、0−3と先制する。この試合、リザーブに入った大ベテランの谷口選手は「これまでスタンドから試合を見ていて、相手のキックオフからのゲーム運びが悪く、入りが良くないなと感じています」と話していたが、残念ながらその通りの展開になってしまった。しかし、すぐさま気持ちを切り替えて攻撃を仕掛ける。9分、NTTドコモ陣ゴール前マイボールスクラムで反則を得ると、速攻を仕掛けゴール前へ。再びNTTドコモが反則を犯すと、SOパーカー選手がタップキックからすぐにキックパス。右端で待ち構える長身のアンダーソン選手がキャッチし、トライをマークする。難しい角度のゴールキックも決まり、7−3に。これで波に乗るかと思いきや、13分、神戸陣22mライン付近NTTドコモボールのスクラムからこの試合もっとも警戒すべきペレナラ選手にトライを許す。注目選手の活躍にスタンドは大いに沸き立つ。7−8と再び追いかける展開となったが、NTTドコモの堅いディフェンスに阻まれてミスを重ねてしまう。22分には、優位に立つスクラムからループを織り交ぜた攻撃でフェイズを重ねて前進し、最後はスミス選手がインゴールに飛び込んだかに思えたが、寸前のところでペレナラ選手に体を入れられトライを阻止される。このプレーにスタンドは再び湧き上がるが、まだまだNTTドコモ陣内だ。トライを取り切りたいところ。しかし、ゴール前ラインアウトでミスが出たり、連続攻撃でゴールライン際まで攻め入るもグラウンディングができなかったりと、惜しい展開が続く。攻め続けながらも、ようやく得点につながったのは、30分。優位に立つスクラムでペナルティトライを得る。14−8と再びリードをするも、28分にスクラムの際の反則の繰り返しでシンビンが出て14人で戦うNTTドコモにトライを献上し、13−14と1点差に詰められる。その後もNTTドコモ陣内でプレーするもスコアすることができずに、13−14で前半を折り返した。

拮抗した展開は後半になっても続く。神戸製鋼はオフロードパスや細かいパスをつないで攻めるが、相手の好ディフェンスに阻まれて攻撃が寸断される。11分には、キックカウンターからパスをつないでモエアキオラ選手がビッグゲインし、そこから出たボールをフランクリン選手が拾い上げ、トライをしたかに思えたが、TMOの結果、ペレナラ選手のタックルを受けたモエアキオラ選手がノットリリースザボールの反則を取られてしまう。19分には、PGを決められて14−16となるが、パーカー選手が蹴ったキックオフのボールを相手がノックオンし、PR中島選手がそれをキャッチするとすぐさま攻撃に転じる。FW、BK一体となった攻撃で最後は今シーズン初出場のハッティング選手がトライをマークする。ゴールキックは失敗に終わるも、19−16と返す刀でトライを取り返し、神戸ファンから拍手が起こる。試合はまさにシーソーゲームの様相を呈する。23分、ハーフライン付近のNTTドコモボールのラインアウトから連続攻撃を仕掛けられトライを奪われる。キックも決まり、19−23。さらに28分、PGで追加得点を許してしまい19−26に。その差は1トライ1ゴール。30分、キックカウンターから攻撃を仕掛けて、日和佐選手が裏へとキックするとそれをキャッチした相手選手がそのままタッチへ出て、NTTドコモ陣22mライン付近のマイボールラインアウトのチャンスを掴む。そこからモールを押し込み、崩れたところから連続攻撃を仕掛けて、最後はクルーデン選手のキックに山中選手が合わせてトライを決める。ゴールキックも決まり、26−26の同点に!しかし、その4分後、自陣で不用意な反則を犯す。相手はすかさずPGを選択し、26−29と再びリードを許す。残り時間は5分。焦りからかキックミスが出たり、相手にプレッシャーをかけられてボールを奪われたりと、ちぐはぐさが目立つ。時間は刻々と経過し、残り1分。神戸陣10mライン付近でNTTドコモの反則を得る。NTTドコモ陣22mライン付近のラインアウトからファンの皆様からの拍手を受けてモールをぐいぐいと押し込むと、たまらず相手が反則を犯す。すでに試合終了のホーンは鳴り終わった後だ。同点か、勝利を取りにいくのか。そこでキャプテンのフランクリン選手はタッチキックからトライを狙いにいく。ゴール前ラインアウトという絶好のチャンス。スローワーは、後半25分に平原選手から代わった1年目の松岡選手だ。その松岡選手がプレッシャーのかかる場面で落ち着いてボールを投げ入れ、モールを押し込むが、崩れてNTTドコモの反則となる。再びゴール前ラインアウト。モールを形成すると、モールから松岡選手がサイドアタックし、そのままインゴールへと飛び込みトライを決める。勝利の女神は最後の最後に神戸製鋼に微笑み、31−29で劇的な逆転勝ちを収めた。

試合後、ディロンヘッドコーチは「チャンスはたくさんつくることができましたが、素晴らしいコーチングをされたNTTドコモにプレッシャーをかけられてフィニッシュに持っていくことが難しかった。最後の最後まで拮抗した展開になりましたが、勝利を目指してプレーし、勝ち切った選手を誇りに思います」と総括。逆転のトライを決めた松岡選手については「プレッシャーがかかる場面で2つのラインアウトがありました。そこでしっかりスローイングしてトライを取った。日頃のハードワークの成果が出ましたね」と称えた。フランクリン選手はPGではなくトライを狙いにいった場面について「円陣を組んだ時に『トライを狙いたい』と伝えたら、皆が『イエス!』と答えてくれました。自分たちを信じてプレーしたことが逆転のトライにつながりました。勝ち切ることができて良かったです」と笑顔を見せた。値千金のトライを決めた松岡選手は「プレッシャーがかかる場面でのスローイングを想定した上で日頃から練習を積んでいたので、自信を持って投げることができました。トライはモールの最後尾だったので、周りを見る余裕があり、相手のディフェンスがモールに入ってスペースが空いたので、そのままインゴールへ走り込みました。トップリーグ初トライが勝利に貢献するトライで嬉しいですね」と胸を張った。

リーグ戦の戦いが終わり、ここからは負けるとそこでシーズンが終了するプレーオフトーナメントに突入する。山中選手は「第4節のリコー戦と同じように、今日の試合でも取り切らないといけないところで、ミスが出てトライを取ることができないという場面が多くありました。そこはプレーオフまでに修正しないといけません」と課題を口にした。日和佐選手も同様に「自分で無理してボールを持ち込んで、その前にパスをしていれば外まで回ってトライができていたのにという場面がありました。パスの精度を上げることや判断のところを突き詰めていきたい」と話していた。6勝1分け勝ち点29でホワイトカンファレンス2位の神戸製鋼は、プレーオフトーナメント2回戦から登場し、4月24日(土)東大阪市花園ラグビー場にてレッドカンファレンス7位の三菱重工相模原ダイナボアーズvsトップチャレンジリーグ3位のコカ・コーラレッドスパークスの勝者と対戦する。2年越しのトップリーグ2連覇を達成するために、2週間でしっかり課題を修正し、プレーオフトーナメントに臨む。

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