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試合後のコメント

ジャパンラグビートップリーグ2021第5節 vsヤマハ発動機ジュビロ戦のレポート

 取材日:2021年3月27日

ジャパンラグビートップリーグ2021第5節 vsヤマハ発動機ジュビロ戦のレポート

第4節のリコーブラックラムズ戦を1点差で勝利した神戸製鋼コベルコスティーラーズは、1週間のバイウィークを挟んだ3月27日(土)、東大阪市花園ラグビー場にてヤマハ発動機ジュビロと対戦した。豊富な運動量で攻守にわたりチームに貢献し、リコー戦の勝利の立役者でもあるレタリック選手は、「前節は相手から激しいプレッシャーを受け、特にブレイクダウンのところで苦しめられました。リコー戦から多くの学びを得ましたので、ヤマハ戦ではブレイクダウンでも前に出られるように勢いが出るプレーをしていきたい」と話した。No.8に入った今シーズン初先発出場の前川選手は「リコー戦はチャンスを作ることはできていたのですが、スコアにつなげることができませんでした。ただ、たとえ1点差でも勝ち切ったのは大きい。チームの成長を感じます。ヤマハは、クワッガ・スミス選手をはじめコンタクトの強い選手が多いですし、セットプレーが安定しています。FWとして、そこで負けないようにしていきたい」と力強く宣言した。

あたたかい春の日差しが降り注ぐ中、SOパーカー選手のキックオフではじまった試合は、開始早々、相手の反則にすかさずPGを選択する。これをパーカー選手が難なく沈めて、3−0。その後もコベルコスティーラーズが積極的に攻撃を仕掛けヤマハ陣でゲームを進める。11分には、FB山中選手のキックカウンターから流れるようにパスをつなぎ、最後はWTB山下(楽)選手がディフェンスの背後にキックしたボールをFLフランクリン選手がインゴールで抑えてトライ。見事な連携に観客から拍手が沸き起こる。18分、PGで得点を許すも、相手の強みであるスクラムを圧倒し、コベルコスティーラーズが主導権を握る。25分には、ヤマハ陣ゴール前マイボールスクラムからSH日和佐選手、CTBモエアキオラ選手へとつなぎ、モエアキオラ選手がそのまま力強い走りでゴールラインまで一直線に突進する。さらに32分、神戸陣22mライン付近の相手ボールラインアウトをPR山下(裕)選手がキャッチすると、すかさず攻撃に転じ、パスをつないで、最後は山中選手からパスを受けた山下(楽)選手が左隅へと飛び込む。38分にも、ヤマハ陣ゴール前スクラムからBKへと展開し、モエアキオラ選手がトライをマークする。前半だけで4トライを奪い、27−3で折り返した。後半、ヤマハは日本代表経験がある山本選手、伊藤選手を投入し、スクラムの立て直しを図る。4分、PR中島選手のタックルが危険なプレーと判定されシンビンとなり、コベルコスティーラーズはピンチに陥る。14人で懸命なディフェンスを見せるが、8分、速攻からキックを織り交ぜた攻撃でトライを奪われてしまう。ゴールキックも決まって、27−10。しかし、ここからコベルコスティーラーズが追い込まれながらも怒涛の攻撃を開始する。11分、自陣ゴール前で山中選手がボールを奪うとカウンター攻撃を仕掛け、パスをつないで、山下(楽)選手がヤマハ陣深くまで前進する。最後はゴール前のラックからモエアキオラ選手がパスアウトし、No.8前川選手、LOレタリック選手とつないでトライをマークする。14分には、再び自陣ゴール前でパーカー選手が相手ボールを奪うとすぐさま山中選手へとロングパスを放ち、そこから攻撃へと転じる。キックを使いながら前進し、最後は山中選手がトライを決める。その2分後、中島選手がグラウンドに戻り15人になると、相手キックオフからFW、BK一体となった攻撃を見せ、ラファエレ選手がインゴールへと飛び込む。ゴールキックも決まり、48−10に。その後、ヤマハに2つのトライを許すが、次々と交代選手を投入したコベルコスティーラーズは、さらに1トライを決め、53−17で勝利した。

試合後、ディロンヘッドコーチは「良い準備をして試合に臨むことができました。練習通り素晴らしいパフォーマンスを発揮し、勝利してくれた選手を誇りに思います」と顔をほころばせた。共同キャプテンの日和佐選手は「試合では難しい時間帯もありましたが、スペースにボールを運んで自分たちのラグビーができましたし、ヤマハの強力なセットプレーにもプレッシャーをかけることができたことは自信になります」と満足げな表情を見せた。司令塔を務めるパーカー選手は、後半14分、自陣から攻撃に転じトライにつながった自身のプレーについて「チャンスを得たらどこからでも攻撃をするマインドセットで常にグラウンドに立っています。あの場面はターンオーバーできたので、すぐにパスをしました。結果的に相手の勢いを止めるトライになり良かったです」と振り返った。2トライを挙げマンオブザマッチに選ばれたモエアキオラ選手は「自分の持ち味であるフィジカルの強さを出してトライを取ることができました。これからも成長し続けられるように頑張ります」とさらなる進化を誓った。

前節からの反省を踏まえて臨んだ一戦を白星で飾ったコベルコスティーラーズは、4月4日(日)、ホワイトカンファレンス首位のパナソニックワイルドナイツをホームで迎え撃つ。パナソニックとはトップリーグでこれまで15度対戦しているが、勝利は2003−2004シーズンのみ。「パナソニックは非常に強いチームです。この一戦に向けて、もう一段階チーム力を上げることができるよう取り組んでいきます」とディロンヘッドコーチ。コベルコスティーラーズは地元・神戸のファンの前で同カード17シーズンぶりの勝利をし、首位奪還を目指す。

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