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ロングインタビュー

退部選手インタビュー part.6 山﨑基生選手

 取材日:2022年6月2日

退部選手インタビュー part.6 山﨑基生選手

山﨑 基生

MOTOKI YAMAZAKI

PROFILE
  • 1988年11月25日生まれ、香川県高松市出身
  • 三田ラグビースクール→印西ラグビースクール→錬成会→流経大柏高校→流通経済大学→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2011年度入部)
  • ポジション/PR
  • 2020-2021シーズンまでの公式戦出場回数/92

ラグビーの奥深さを知れ、成長できた10年間。 この経験を糧に新たな一歩を踏み出します!

突然の退部の発表で驚きました。今の心境を聞かせてください。

「長い間、在籍したチームを離れることに寂しさがありますね」

公式戦92試合に出場し、100試合出場まで残り8試合でした。

「数字を意識していなかったので、92試合も出ていたんだと驚きました。入部した当時は、レベルの高い選手がたくさんいる中でついていけるのか不安でしたが、10年間プレーでき、しかも92試合も出場できて誇らしく思います」

コベルコスティーラーズで学んだこととは?

「大学4年の時にナンバーエイトからプロップに転向したので、スクラムに関しては初心者同然でした。ラッシーさん(平島久照)、ヤンブーさん(山下裕史)、入部当時は松原さんもいて、先輩方からスクラムを1から教えていただき学ばせてもらいました。特に同じポジションであるラッシーさんには、いろいろとアドバイスをしていただき感謝しています。それとこの10年間でたくさんのコーチから指導を受けて、いろいろなラグビースタイルを経験できたことも良かったです。多くのことを学ばせていただき、成長できた10年間でした」

2017年春には、張選手、林選手と緒にチーフスへ派遣されましたね。

「あまりラグビーの試合を見たりする方ではなく海外のラグビーにも関心がなかったのですが、チーフスで練習する機会を与えていただき、知見を広げることができました。ラグビーに対して、これまで以上に学ぶ意欲が高まり、スーパーラグビーをはじめ海外のラグビーを見るようになったことは大きかったです。チーフス派遣はとても良い経験になりました」

成長を感じるところは?

「考えてプレーするようになったことだと思います。“ボールを持てばまっすぐに突っ込む、スクラムはただ単純に組む”というところから、コベルコスティーラーズに入って、目指すラグビーをするためには、どういうプレーをしないといけないなど考えて、頭を使ってラグビーをするようになりました。ラグビーの奥深さを知り、僕自身のプレーの幅も広がったと思います」

影響を受けた選手を教えてください。

「同期の前川です。練習に取り組む姿勢やチームを引っ張っている姿を見て、僕も頑張らないといけないと刺激をもらいました。選手としてだけでなく、人としても尊敬できる同期と一緒に10年間プレーできたことは誇りです」

もっとも印象に残っている試合を教えてください。

「あまり意識していないので難しいですね。1つあげるとしたら『ジャパンラグビー トップリーグ2018-2019』プレーオフトーナメント決勝のサントリー戦です。緊張することなく、いつも通りのプレーができ、みんなと優勝の喜びを分かち合えて嬉しかったです」

ラグビー以外に印象に残っていることとは?

「コベルコラグビーフェスティバルですね。若い頃はよくダンスを披露していたんですが、当時(吉田)永昊さんがダンスチームのリーダーをされていて、永昊さんを通じて先輩たちと仲良くなり、チームに溶け込むことができました。ダンスの練習も楽しかったですし、フェスタ自体もたくさんのファンの方々と交流できて、良い思い出です」

鹿田選手が、入部当時、山﨑選手が間に入ってくれたお陰でチームにすぐに馴染むことができたと感謝の言葉を述べていました。

「永昊さんが先輩方とのパイプ役になってくれたお陰でチームに早く馴染むことができましたので、今度は僕がその役目を担おうと意識していました。それもあってか退部発表の後に、何人かの後輩たちから『いつもいじってくださり、ありがとうございました』とメールをもらいましたね」

コベルコスティーラーズで過ごした10年間は山﨑選手にとってどういう時間になりますか?

「日本一を目指す名門チームで10年間もプレーできたことは自信になりますし、誇りです。今後はこの経験を糧に、新たな1歩を踏み出したいと思います」

チームメイトにメッセージを。

「チームメイトには、感謝してもしきれないです。グラウンドでは切磋琢磨し、プライベートでは楽しい時間を過ごすことができました。『ジャパンラグビートップリーグ2021』は優勝することができなかったですが、新リーグでは王座奪回し、初代チャンピオンに輝いてほしいと思います。また、2020年度で(ナエアタ)ルイ、鹿田(翔平)、僕が退部し、流通経済大学出身選手が4人になりました。残った(中島)イシレリ、落合、(韓)尊文、粥塚、そして同期の前川、山中、有田には頑張ってもらいたいですし、今後の活躍を期待しています」

では最後にファンの皆様方にメッセージをお願いします。

「ファンの皆様にも感謝の思いしかありません。有名選手ではないのに、入部1年目から声をかけていただき、とても嬉しかったです。ファンの方々の優しさに支えられた10年間でした。これからもチームの応援をよろしくお願いします」

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