インタビューInterview

close-up KOBE -Long interview-

2018.04.18 | 取材日:2018年1月20日、4月9日

アンドリュー・エリス選手インタビュー 「チームに対する愛情は年々深まってきています。最高の仲間と共に良い結果を残せるようにしていきたい」

4月9日(月)、ウェイン・スミス総監督、デーブ・ディロンヘッドコーチ体制で臨む2018-2019シーズンの新チームが始動しました。初練習後の記者会見でウェイン・スミス総監督が「90年の歴史があるクラブとして誇りを持ちながら、変革を起こし、レガシーを作っていきたい」と話したように、変革の1つとして、キャプテンはコベルコスティーラーズ史上初となる共同キャプテン制に。今シーズン、キャプテン2年目の前川鐘平選手とともに、共同キャプテンに就任したアンドリュー・エリス選手に、チームに対する思い、目標などを聞きました。

アンドリュー・エリス
ANDREW ELLIS

PROFILE

■1984年2月21日生まれ(34歳)、ニュージーランド・クライストチャーチ出身

■クルセイダーズ→神戸製鋼コベルコスティーラーズ(2014年入部)

■ポジション/SH

■身長・体重/182cm・86kg

■2017-2018シーズンまでの公式戦出場回数/49

■代表キャップ/28(ニュージーランド)

コベルコスティーラーズ史上初共同キャプテン就任
−前川選手と共に共同キャプテンを務めることになりましたね。
「外国人選手として共同キャプテンに指名していただいたことを誇りに思います。長い歴史があるクラブで、この役割を与えられたことは非常に名誉なこと。コベルコスティーラーズに入部し、今シーズンで5年目ですが、私はこのチームを愛していますし、生涯の友もできました。仲間と共に記憶に残るようなシーズンにしていきたいと思います」
−指揮官となるウェイン・スミス総監督はどんな方でしょうか?
「クルセイダーズとニュージーランド代表で一緒に仕事をし、昔から彼のことをよく知っています。ウェインは、私にとって世界一のコーチです。競争意識が高く勝者でありながら、人に対してケアができます。彼がコベルコスティーラーズの総監督に就任するという話を聞いた時、チームにとってとてもポジティブなことだと嬉しく思いました。今日も、初練習までの間に、彼がこのチームに対して多くの時間と労力を費やしてくれていることがわかりました。キックオフミーティングでは、冒頭の部分をほとんど日本語でスピーチしましたし、練習もチームのことを研究した上での詳細なスキルの指導で素晴らしいものでした」
−ヘッドコーチを務めるデーブ・ディロン氏は?
「デーブとは最近知り合いましたが、ウェインと仲が良い時点で間違いなく素晴らしい人ですね。またデーブのことを知っている人とも話しましたが、彼のことを悪く言う人は1人もいませんでした。彼のことをもっと知っていきたいですし、彼がチームに来たこともポジティブなことだと思います」
−例年より早いシーズンインとなりました。初日の練習を終えて感想をお願いします。
「これまでと選手の目の輝きが違うように思いました。シーズンは始まったばかりですが、良い変化を感じています」



チームへの愛情が年々深まってきている
−ところで、昨シーズンのご自身のパフォーマンスを振り返っていただきたいのですが、どう評価されているのでしょうか?
「私はいつもシーズンを振り返る時、自分自身のことというよりも、チームがどうだったのか考えるんです。なぜなら、FWがスクラムでプレッシャーをかけていたら、私は自由に動けて好きなプレーができるので、良いパフォーマンスができますから。個人としては評価できないですね」
−とはいえ、外から見ていて、年々、エリス選手のパフォーマンスが上がっているように思います。
「それは、私が神戸での生活を非常に楽しめていることが大きいですね。それにシーズンを重ねるごとにチームに対する愛情も増してきていますし。そういう気持ちが良いパフォーマンスに繋がっているんじゃないかな」
−エリス選手は練習後にSHの選手を集めて指導されているそうですね。それも、コベルコスティーラーズ愛からですか?
「そうです。でも、もともと私は人をサポートすることが好きなんですよ。若い選手の成長の手助けをしたいなって。クルセイダーズにいた時も同じようなことをやっていました。同じポジションの選手と助け合いながら切磋琢磨して高めあっていくことが、将来、チームのレガシーに繋がると思っています」
−若手SHを指導する『アンディー'Sレッスン』の内容をぜひ教えてください。
「パス、キック、そして一番重要なことは、SHとして試合中、どのようなことを考えてプレーするべきなのか。SHは、どれだけ疲れていても、誰よりも早くラックに駆け寄らないといけないポジションです。疲れている時こそ、どれだけ早く立ち上がって、次のラックにいけるのか。特にメンタルのところを教えたいと思ってやっていますね」
−エリス選手は、試合中、常にどのようなことを意識してプレーしているのですか?
「シンプルにプレーすること、ワークレートの高さ、グレートパス。すなわち、基本に忠実にプレーし、どのような局面でも顔を出して、パスを常にクリアに出す。この3つにフォーカスしていれば、SHがやらなければいけない役割をカバーできる。ですので、常にこの3つを意識してプレーしています」
−あと試合中、エリス選手はよく怒っていますよね(笑)。
「負けず嫌いなので、すぐに熱くなっちゃうんですよ(笑)。私には3歳の息子がいるんですが、彼と遊びでラグビーをしても勝たせてあげない。チームが負けるのも嫌ですし、僕自身も負けたくない。負けず嫌いなのは、どうしようもないですね(笑)」



今シーズン、信じる力を育てていく
−では、チームがなかなか優勝できないことにフラストレーションを感じているんじゃないですか。優勝に手が届かないのは、コベルコスティーラーズにどういうところが足りないと思いますか?
「自分たちがやってきたこと、やっていることをどれだけ信じられるか。昨シーズンも、自分たちを信じて自信を持ってプレーしている時は勝てている。ただ、それがシーズンを通して継続してできませんでした」
−エリス選手はクルセイダーズで優勝を経験しています。その時のチームはどうだったのでしょうか?
「信じる力がありましたね。自分たちがやってきたことを信じられている時は、どんな相手に対しても良いパフォーマンスを発揮できますし、フィールドに立つ全員が信じられていると、プレーしながら感じることができるんです。コベルコスティーラーズもそういうところが全くないわけではないんですが、それをどれだけコンスタントに出せるのか。優勝したサントリーや2位だったパナソニックと比較して、それほど大きな差があるとは思いません。あとはどれだけ自分たちのやっていることを信じて、フィールドでそれを遂行できるかだと思います。そういう信じる力を作るのには、チームカルチャーをより力強いものにしていかなくてはいけないと思うんです。今シーズン、ウェインが来て、信じる力がこれまで以上に成長していくと思います」
−今シーズンが楽しみです!それにエリス選手の盟友、ダン・カーター選手も加入します。
「彼からチームや環境面で質問をされていたんです。それに対して私の答えはシンプルなものでした。神戸は素晴らしい場所で、素晴らしい環境が整っていて、素晴らしいメンバーがいると。彼の加入は、日本ラグビー界にとって、コベルコスティーラーズにとって素晴らしいことです。しかも、彼は世界的なスーパースターですが、それを感じさせないような、めちゃめちゃいいヤツなんですよ。冗談もよくいうし、ビールも大好き(笑)。日本人のメンバーも絶対に彼を好きになると思います。ラグビーに関してはもはや説明不要ですが、プレースキックの練習を誰よりもたくさんしていますし、常にハードワークしている。若手にとって良いお手本になると思います」
−エリス選手も彼と一緒にプレーすることが楽しみだと。
「もちろんです!とても楽しみです。久しぶりに一緒にプレーできることが楽しみで仕方ありませんね」
−カーター選手とどのようなコンビを組んでいきたいですか?
「テンポの速いアタッキングラグビーをしていきたいですね!」



目標はコベルコスティーラーズで優勝すること
−ところで、今更なんですけれど、エリス選手がコベルコスティーラーズでプレーすることに決めた理由を聞かせていただきますか。発表では、ご両親が神戸で仕事をしていた関係もあって、神戸の街や日本の文化が好きだったことが理由として挙げられていましたが。
「父親が園田女子大学で2年間、教授を務めていて、武庫之荘に住んでいたんです。それで毎年、スーパーラグビーのシーズンオフには日本を訪れて3週間ほど両親の家に滞在していました。両親は伝統的な日本家屋に住んでいて、近くに住む方々とも仲が良く、私が来日した折には、たこ焼きパーティ等を開いてくれて。そのような交流を通じて、日本人が好きになりましたし、日本の文化も好きになりました。それからコベルコスティーラーズからオファーをもらって、プレーすることに決めたんです。ただ両親とは入れ違いで。私が神戸に行くと決めてサインした後に、両親はニュージーランドへ戻ったんですよ」
−意地悪な質問なんですが、ほかのトップリーグのチームに加入する可能性はありましたか?
「確かに難しいねー。ただコベルコスティーラーズへの加入が、私にとってNo.1チョイスだったことは間違いありません。コベルコスティーラーズは長い歴史があり、伝統と誇りのあるクラブです。そういうチームでプレーしたという思いがありましたから。神戸に来てよかったと心から思います」
−ジャック・フーリー選手、アンドリース・ベッカー選手(現・コーチ)といった世界的プレーヤーが、コベルコスティーラーズでプレーヤーとしてのキャリアを終えました。エリス選手も同じ道を選ばれるのでしょうか?
「おそらくそうなると思いますね。私はクルセイダーズで長年プレーし、150試合以上に出場しました。そういうキャリアからもわかっていただけるように、私はとても忠誠心が高い人間なんですよ。コベルコスティーラーズのことが大好きですので、ここでキャリアを終えることになると思います」
−コベルコスティーラーズで達成したいこととは?
「150試合出場です(笑)!というのは冗談ですが、今のゴールは、コベルコスティーラーズで優勝することですね」
−ニュージーランド代表でワールドカップ優勝を経験し、クルセイダーズでスーパーラグビーを優勝するなど、多くのことを達成しているエリス選手が、グラウンドに向かうモチベーションとは何なのでしょうか?
「先ほど話したように、負けず嫌いなので、勝ちたいという気持ちがモチベーションなのは昔から変わりません。それと、今、この年齢になって感じるのは、毎日の練習がとても楽しいということ。プレーすることが本当に好きだなと。34歳という年齢を考えた時に、これからのキャリアが長いわけではありません。プレーできていることを幸せに感じながら、日々、練習に取り組んでいます」
−では最後に今シーズンの抱負をお願いします。
「昨シーズンの最後の試合で、我々のポテンシャルの高さを見せることができました。次のシーズンに繋がる終わり方をし、私自身、今までになく新しいシーズンが待ち遠しかったです。ハードワークはもちろん必要ですが、今シーズンは優勝のチャンスのある1年だと思います。最高の仲間と共に最高の結果を残せるように頑張ります」

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