インタビューInterview

close-up KOBE -Long interview-

2018.02.06 | 取材日:2018年01月23日

2017-2018シーズンの戦いを振り返る:ジム・マッケイヘッドコーチ

レギュラーシーズン7勝5敗1分勝ち点37でレッドカンファレンス4位となったコベルコスティーラーズは、優勝を逃し、5位〜8位の総合順位決定トーナメントに回ることになった。

総合順位決定トーナメントでは、1回戦でリコーブラックラムズを、2回戦で東芝ブレイブルーパスを下し、最終順位5位という成績でシーズンを終了。

2年間、チームの指揮を執ったジム・マッケイヘッドコーチに2017−2018シーズンを振り返ってもらった。

最終順位5位という成績は、今の我々の実力でした。
−ウインドウマンス後の試合に向けてフォーカスしたことを教えてください。
「それまでの9試合で何ができているのかできていないのかを再確認し、残りの試合でやるべきことを明確にしました。1つはラインアウトです。ラインアウトに関しては、シーズン通して安定していましが、終盤戦では特にショートラインアウトからのサインプレーがうまく機能したと思います。2つ目はモールです。11人でモールを押し込んでトライを決めたり、トヨタ戦でもモールでプレッシャーをかけたりと良いところが出ました。あとはアタックシェイプ。時間を割いて取り組み、フレイ(アンダーソン フレイザー)や(山下)楽平、(今村)雄太といったトライゲッターを怪我で欠いている中で、多くのトライを取れたことは収穫です」
−スクラムは、ウインドウマンス中のルール変更になかなか対応できずに苦戦を強いられたように思うのですが。
「すぐに対応しなくてはいけなかったのですが、そのスピードが遅すぎたことは事実です。スクラムは、終盤戦だけでなく、シーズン通して機能している時もあれば、そうでない時もありました。それはモールも同様です。もっとモールからのトライを多く決めたかったのですが、そうではなかった。優勝を狙う上で、スクラムも、モールもまずまずのレベルで、より強化する必要があったように思います」
−春から力を入れて強化してきたディフェンスについてはどうでしたか?
「リーグ戦序盤のディフェンスは良かったと言えます。終盤戦も悪くはなかったのですが...。ディフェンスは、昨シーズンから大きく成長したところではありますが、タックル成功率を見た時に、トップリーグで上位なのかと言われればそうではありません。トップチームは、アタック、ディフェンス、セットプレー、すべてで上位に入っています。1つだけではなく、バランスよく、すべてで上位に入るようにしないと。我々は、アタックでは、ある程度良いものを残すことができましたが、それ以外のエリアでは、まずまずのレベルで終わってしまいました。今シーズンを振り返った時に、最終的に5位という成績は、今の自分たちの実力であったと認めないといけません。コベルコスティーラーズは、数シーズン、4位や5位といった順位でシーズンを終えています。とはいえ、我々が成長していない訳ではありません。昨シーズンと比べてアタックもディフェンスも、すべてにおいて進化することができています。ただ、それと同じように他チームも成長しています。中には圧倒的に力をつけてきているチームもありました。そのような状況が、結果的に今シーズンも同じような位置でシーズンを終えることになった要因の1つだと思います」


ポテンシャルの高さを見せつけた総合順位決定トーナメント
−総合順位決定トーナメントvsリコーブラックラムズ戦、東芝ブレイブルーパス戦を振り返ってください。
「この2試合は、メンバー全員が同じマインドセットで戦い、自分たちのポテンシャルの高さを見せつけたゲームだったと思います。特に東芝戦は、相手もすべてをぶつけてきました。そういう相手に対して勝てたことを誇りに思います。しかし、このような素晴らしいゲームができるのにもかかわらず、シーズン中には、キヤノン戦のように何も出し切れずに敗れてしまう試合がありました。そこが我々の課題だと思います」
−シーズンを通しての課題と収穫は?
「まず課題は、今、挙げた部分ですね。対戦相手がどこであれ、自分たちのシステムを信じて、常に高いレベルで安定したパフォーマンスを出せるようにならないといけません。あとは、怪我人が出た際、いくつかのポジションで選手層の厚さに物足りなさを感じました。この2つが大きな課題です。来シーズンは、どんな相手に対しても、本来持っている力をすべて出し切り、一定のパフォーマンスを発揮しつつ、サントリーやパナソニックといった強豪に対しては、さらにもう一段階ギアを上げて、より高いレベルの力を出して戦えるように準備をしていかないといけません。収穫は、若手が多く試合を経験したことです。重(一生)は多くの試合に先発出場し、安定したパフォーマンスを発揮してくれました。アキ(清水晶大)、ナベ(渡邉隆之)、トモ(落合知之)も出場機会を得ました。そして2年目のジュニア(橋下皓)も、今シーズン、トップリーグで初めて先発出場しました。多くの若い選手がトップリーグの雰囲気を味わったので、その経験を来シーズンに繋げてもらいたいですね」


アタックの良いテンプレートはできた。来季、さらなる上積みを。
−マッケイヘッドコーチは今シーズン限りで退団されますが、指揮を執った2シーズンでチームはどのように変わったと思いますか。
「まずラグビーについては、来日してすぐに平尾(誠二)さんから自分たちはアタッキングラグビーのチームなので、原点に戻ってほしいと言われました。自分自身、そのようなラグビーを目指していましたので、コールなどすべてを一新し、アタックに対する良いテンプレートは作ることができたと思います。他のトップリーグチームのコーチからも、我々のアタックは高い評価を受けています。ここに、モールでのトライ、ゴールキックの精度を上げることができれば、さらに強みが加わるのではないでしょうか。またチームカルチャーにおいては、一昨年、平尾さんが亡くなったことはチームにとって非常に大きなことでした。その中でチームは変わろうとし、チーム理念に力を入れてきました。今シーズン、多くの時間を費やして考えてきたことを、今後、どれだけ行動に現していけるのか。それが成長の鍵になってくると思います。私はチームを去りますが、来シーズンのコベルコスティーラーズの成功をとても楽しみにしています」
−日本でのコーチングはどうでしたか?
「全選手がプロではなく社員もいたり、試合数が少ない中で何人もの選手がプレーしない状況が続いたりするなど、オーストラリアやイングランドと仕組みがまったく違いました。そういう意味では、日本の環境への理解も深まり、1年目よりも今シーズンの方が良い指導ができたと自負しています。日本で指導したことは、大きなチャレンジでしたし、素晴らしい経験になりました。このようなチャンスを与えてくれた会社関係者の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。また2シーズン、ハードワークしてくれた選手、スタッフにも感謝したいですね」
−では最後にファンの皆様方へメッセージをお願いします。
「スタジアムだけでなく、イベント等でもファンの皆様と交流することができました。小さなお子様から年配の方まで、さまざまな世代がコベルコスティーラーズを熱心に応援してくださり、非常に誇らしく感じました。チームの状況に波がある中でも常に変わらないサポートをし続けていただき、ファンの皆様方にはチームを代表して改めて感謝申し上げます。これからもコベルコスティーラーズに対し、変わらぬサポートをよろしくお願いします」

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