インタビューInterview

close-up KOBE -Long interview-

2017.08.15 | 取材日:2017年06月20日

新キャプテン 前川鐘平選手インタビュー「橋本さんの後任、プレッシャーを感じないといえば、嘘になる。自分らしくやっていきます!」

5年間キャプテンを務め、チームメイトから抜群の信頼を得る橋本大輝からバトンを受けた、前川鐘平。キャプテンの打診を受けた時の心境とは?自身のキャプテンシーとは?また、個人としては、怪我から約1年ぶりにグラウンドに復帰を果たす2017-2018シーズンに臨む覚悟と決意を聞いた。

前川鐘平
Shohei Maekawa

PROFILE

■1988年9月8日生まれ(28歳)、大阪府枚方市出身

■大阪市立茨田北中→東海大仰星高→東海大→神戸製鋼(2011年入部)

■ポジション/FL

■身長・体重/178cm・95kg

■2016-2017シーズンまでの公式戦出場回数 65

プレーでチームを牽引
−キャプテンの打診はいつ頃あったのでしょうか?また、その時の心境を教えてください。
「2月頃にチームマネージャーの藤(高之)さんから連絡を受けました。夏合宿で怪我をして、昨シーズンは公式戦に1試合も出場していないですし、ラグビー自体2ヶ月程しかしていないので、正直悩みましたね。今シーズンは試合に出られるように、コンディションを戻して、これまで以上にトレーニングを積んでいかなければいけないと思っていましたから。それで、前キャプテンの橋本さんに相談したんですが、『やるしかない!』と背中を押されて。2週間くらい迷っていましたが、その言葉で決心しました」
−橋本選手からアドバイスはありましたか?
「『お前は俺じゃないんだし、自分らしくやればいいよ』と言っていただきました。あと、わからないことやスタッフ陣やチームメイトに言い難いことがあれば、言ってくれと。心強く思いましたし、頼りにしています」
−前川キャプテンから見た橋本選手のキャプテンシーとは?
「見ていないようで、人をしっかり見ていて、そして、プレーは、日本代表に選ばれてもおかしくないくらい、すごい。プレーでも引っ張ってくれていましたし、言葉でもチームを鼓舞してくれた。それと、見えないところでキャプテンとしての責任を負っていたんだな、いろいろとやってくれていたんだなと、自分がキャプテンになって知ったことも多いですね」
−前川キャプテンはどうやってチームを牽引していこうと思っていますか?
「ジム(・マッケイヘッドコーチ)から『グラウンドで良いパフォーマンスを発揮することで、選手がついてくる』と言われました。まずは、自分のプレーをやり切る。その上で、アタックにしろ、ディフェンスにしろ、全員の矢印が同じ方向に向くよう、声をかけたり、プレーで示したり、やっていきます」
−大学時代にもキャプテンをされていますが、その時はどうだったのでしょうか
「3年の時はリザーブだったので、試合に出ている選手がキャプテンになればいいと思っていたんです。なので、監督に言われた時は驚きました。キャプテンは初めてのことだったので、とにかく一生懸命やるしかないと。その時もプレーで引っ張っていたと思います」
−5年間キャプテンを務めた橋本選手の後任。プレッシャーがかかりそうですね。
「プレッシャーがないといえば嘘になります。橋本さんのキャプテンシーは抜群でしたから。僕は僕らしくやっていきます!」


チーム理念を追求し実践する
−前川キャプテンが目指すチーム像を教えてください。
「主体的に動けるチームを目指しています。そういう意味では、今、非常に良い感じです。これは、橋本さんから引き継いだことなのですが、橋本さんは、キャプテン在任中、〝神戸らしさ?って何なんだろう、どういうチームになりたいんだろうとずっと考えていたそうなんです。それで、コベルコスティーラーズには、チーム理念というものがある。それを追求して、実践していけばいいのではないかと。キャプテンに就任する時に、橋本さんからチーム理念の落とし込みをやってほしいとお願いされました。その意味を考えることからはじまり、具体的にどう行動していくか。春から週に1、2回、全員で集まって、チーム理念についてのミーティングをしています。チーム理念にそって、一人一人が主体的に考えて行動できるようになれば、チームはより良くなっていくと思います」
−「チーム理念」は以前からクラブハウス内に貼ってありましたよね。
「貼ってあるだけだったんです(苦笑)。これが浸透していけば、もっとまとまりが出て、魅力あるチームになっていくと思いますし、ここ数年、3位、4位という成績が続いていますが、そこを打開していくためにも、重要だと感じています」
−いい方向へと向かっているようですね。
「そうですね。以前より、練習後に、自主トレーニングをする選手が増えているなど、皆、主体性をもっていろんなことに取り組めるようになっています。これを僕たちの代だけで終わらすのではなく、ずっと継承していきたいです」
−ラグビーについてはどうでしょうか?
「昨シーズンはアタッキングラグビーを標榜し、トライが増えて、アタックが良くなりましたが、その分、ディフェンスの意識が低くなり、失トライが増えてしまいました。今シーズンは、春からバズ(バジル・カージスヘッドS&Cコーチ)の指導のもと、フィジカル、フィットネスを鍛えるのと並行して、スコット(・ハンセンアシスタントコーチ)がチームに合流し、新しいディフェンスシステムに取り組んでいます。スコットの指導はとてもわかりやすくて、ディフェンスはこれからもっと向上していくと思います。昨シーズン、良かったアタックをさらに磨いて、ディフェンスも強化していき、隙のないラグビーをしていきます」

パフォーマンスを上げていく!
−ところで、1プレーヤーとしてのことを伺いたいのですが、昨シーズンは怪我でリハビリに明け暮れた1年でした。
「昨年春に肩の手術をして、6月に復帰したんですが、夏合宿の2試合目で、膝の前十字靭帯を断裂してしまって。グラウンドに戻ったのは、今年5月なんです」
−長かったですね。
「中学1年からラグビーをはじめて以来、公式戦には、例えリザーブでも必ず出ていたんです。その間、怪我は何度もしていますし、手術も。だけど、シーズン通して、1試合も公式戦に出ていないというのは、初めての経験で。今はラグビーができているということが、単純にうれしい。ラグビーって、楽しいスポーツだなと思いながら、グラウンドに立っています」
−昨シーズン、ラグビーができなかった鬱憤を今シーズン、爆発させる。
「ぜひそうしたいです。キャプテンを引き受ける際、ジムに、自分のパフォーマンスを上げていかないと試合に出られないと思っているので、選手の矢印をひとつにすることと共に、その部分もしっかりやっていくと通訳を介して、メールをしてもらったんです。優勝の瞬間にキャプテンがグラウンドにいないということにならないようにしないといけません」
−今シーズンの目標は?
「チームとしては優勝。個人としても優勝。優勝インタビューを受けることができるよう、頑張ります」
−では最後にファンの皆様へメッセージをお願いします!
「スタジアムで応援していただくことが選手にとって何より励みになります。ラグビー人気がワールドカップ直後と比べると、下火になっている中で、コベルコスティーラーズの試合は、いつでもファンがいっぱいでスタンドが盛り上がっている、そうなればいいなと思っています。それが神戸の文化になるようにしていきたい。僕たちもいいラグビー、いい試合をします。今シーズンも、ファンの皆様、応援よろしくお願いします!」

「チーム理念」は、3項目。「日本のトップの実力と品格を有し、神戸製鋼グループ従業員、および地域社会に愛されるチームを目指します」、「部員一人ひとりを活かし、チームの和を尊びます」、「たゆまぬ努力により、創造的なラグビーを追求します」。

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